Defiledの話をちょっとさせてください
凄い人を好きになってしまった
ネタバレなのかな……そんな気もするので、嫌な方はスルーしてくださいね。
今日やっとこちらへ行ってきました。
長かった!
こんなに行けないなんて思わなかった。
だいたいね、春先のこの時期にもうずーっとやってる訳ですけど
出発
広島に原爆を落とす日
寝盗られ宗介
春は忙しいよね、それに合わせてチケットも取れなくて……
今回も一回しか取れず。
まあそんなに何10口も投じられないので、当たったこの奇跡の1回を大切にしたいなってずーっと思ってました。
先週の運動会で見れたばかりなのに、やっぱりお芝居をしている戸塚くんは違いますね
あーーーーー大好きだな
最後の効果音と共に、私も倒れるかと思った。
たぶん今までのキャラクターの中で1番好きです。
本当のハリーは、戸塚くんみたいにかっこよくなんてちっともないんだと思うんです。
服装にも気を使わなくて、髪型もずーっと同じで、メガネなんかしてて、そして図書館が大好きで、図書館にやってくる人たちも大好きで。
いや、本当にあの場所は大事だったのかな
結婚直前に女性に裏切られるハリー
自分の居場所をコンピューターに追い出されるハリー
小さなアパートに大きなコリー
コリーはどこにいるんだろう。
爆弾をセッティングしてた彼も、起爆装置をカタカタいじっているのも、ものすごく神経質そうでした。
理路整然と自分の意見をまくし立て、
違うんだ!そうじゃないんだともがく。
あとね、ハリーは家族が大好きなの。
期待なんかしてないって素振りは見せているけど、家族の事を話す彼は饒舌だし、少し笑顔も見せる。
もしかしたら、もしかしたら、自分が愛する者達は(そんなものないと思ってるけど)自分を許してくれるんじゃないか、自分を理解してくれるんじゃないか。
不必要に大きな犬も、彼の少しばかりの本も受け入れてくれるんじゃないかって期待してる。
自分は何も受け入れられないのに
期待だけしてるの。
突然冷静さの欠片もなく彼は叫ぶ
その痛みは予想外の痛み
どこからそんな声が出てきたんだろうと思う、あれは本当の痛みだった。
声に痛さがあった。
底知れない痛みだった。
私も痛かった。
最後の彼の顔 ものすごい(無)でした。
彼だけが照らされる空間に、人形みたいに魂の入っていない彼がいて、良くもああ瞬きをしないでいられるものだと。
感情という感情を殺した演技に、ただ息を飲みました。
彼の目の中には何が写っていたのだろう。
コリーをどうしたの?身勝手なハリー あなたが死んだらコリーは一人ぼっちだよ。 そうなんとなく思って見てたけど、途中からきっと、コリーは誰か近所の犬好きの人にあげたんじゃないのかな?って思うくらい、私の中にハリーが肉付けされています。 アラジンの魔法瓶に入ってる少し甘いコーヒーは、彼に考える時間を与え、ブライアンを巻き込むのだけはしないって決めてたのかな。 最初から死ぬって決めてたんだね。お母さんのそばに行くって。 ダメだ ハリーの事考えると涙がでる。
凄い人を好きになってしまった
ただただそう思いました。
下らない解釈や思い込みなんて要らない、
あそこにはハリーがいた。
神経質で惨めで一人ぼっちのハリー
真面目であるが故に失敗してしまうハリー
スポットライトの当たったハリーって言う魂の抜け殻
暗転した中でスーッと音もなく立ち上がり舞台から彼が消えていくのを見ていたら、こみ上げていたものが重力に抵抗できなくなって、地面へと突き刺さって、私の足に絡みつきました。
暫く立ち上がれないかと思った。
あまりにも力を入れて見ていたから、身体がガチガチに痛いです。
手を叩きすぎたから、タダでさえお饅頭の手が、より一層腫れています。
ずーっと余韻に浸っています。
ハリーの喪失感について考えています。
私も寂しいです
寂しくて寂しくて
だけども
今とても心地よいです。
いい芝居だった。
単純に考えて
あのお芝居を何公演も出来る自担を、世間は無視出来なくなると思う。
見れて良かった。
明日見たらまた違う感情が芽生えるのだろうけど、私のハリーは今日のハリーでいいと思いました。
追記です
これ書いたことで、どうにか1度しか行けない私の思いを消化しようと思ってるんですけど、日本人であるがために理解出来ない事も沢山あって。まずそんなに文化や生まれた環境の違いなんて物がそれほど無いわけです。けどもしかしたら、そういう要素がものすごく大切な話なのかなと思う傍ら、そういった物を排除して削ぎ落とした演出がされてるようにも思いました。
社会的に別々のコミュニティが存在する国があるなんてこと、ただぼんやりと生きてきた私になんて分かるはずないんです。だから、ハリーやディッキーはただの名前、洋風の名前くらいの気持ちで見ました。
頑張れば報われる、頑張ったら変わる理由でもない世界なんてもの、明日、今この瞬間ミサイルが堕ちるかもしれない現状に生きていても、理解が出来ないのが日本人だと思うんです。
今回初見でもあり、脚本などもわからない(原書とかもちろん語学力も無く)な判断での、勝手な意見ですが、ハリーが少しお母さんの話ししながら微笑んでしまうのも、彼が全くため息をつくような育児をされてこなかったからだと思いました。戸塚祥太にとって母は太陽、だからハリーにとってもきっとそうに違いないのです。
物語の意図としてはどうなのかは分かりませんし、こ難しい事とかも評論家ではないのでわからないけど、単純に凄い舞台だとしか言いようがなく、2人の役者さんの集中力や情熱は、賞賛されるべきだと思うし、戸塚祥太に賞を取らせたい。
見たい 見たい 見たい
だけど私は彼らの情熱に答えられる観客なんだろうか……わからない。